庭に設置した雨水タンクは使い道が色々あり、毎日のように活躍してくれています。
- 雨水タンクって何?
- 雨水タンク設置方法を知りたい
- 補助金を使った費用の総額は?
- 設置するメリットは?
など、雨水タンクについて気になる方に向けて、我が家の雨水タンクの設置費用や活用法とメリット・デメリットについて紹介します。
これから雨水タンクを設置しようかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
雨水タンクを設置したきっかけ
雨水タンクに興味を持ち設置しようとしたきっかけは、雨水を有効活用したかったからです。庭で色んな花や植物を育て暖かい時期には家庭菜園もしているので、毎朝の日課は水やり。そうなると当たり前ですが、とくに夏場はそれなりに水が必要で、朝と夕方2回の水やりをしています。
これが毎日だと気になるのは水道代…そこで、雨水タンクを設置して水やりの水道代を節約したい、しかもエコにもなるので一石二鳥!そう思って、雨水タンクを取り付ける事に決めました。
雨水タンクを設置〜雨水タンクとはどんなもの?
雨水タンクとは、家の縦樋部分に細工してタンクを取り付け、屋根に落ちた雨水を溜めるもの。タンクに溜まった雨水を有効活用することにより、水の消費を抑えて環境に配慮することができます。水道水の代わりに貯まった雨水を水やりや洗車に使うことができるので、水と水道代の節約になります。
縦樋とは?屋根から地面に向かって設置された「樋」(とい)のこと。屋根の傾斜を流れる雨水を集めて地面に流すものなので、戸建ての場合2〜3箇所あります。
雨水タンクの設置は補助金を有効活用
雨水タンクをお得に設置するためにまず始めに確認することは、住まいのある自治体で雨水タンク設置への補助金制度があるかどうかチェックすることです。
我が家も雨水タンクを設置するときに自治体の補助金を利用して設置しましたが、雨水タンクは初期費用が意外と高いので補助金があるのは助かりました。
設置前に補助金の条件を確認しよう
そして、ここで大事なのが補助金の条件です。自治体によって補助金を受け取る条件としてタンクの容量が決められている場合があり、私の住む地域ではタンクの容量が150L以上と決められていました。
ホームセンターで120Lサイズのものを見かけたことがありましたが、容量に条件があるとは知らずに間違えて購入していたら、補助金を受け取ることができなかったので注意が必要です。
補助金があるかどうかの確認は必須ですが、もし補助金を申請できることがわかったら必ずその条件をチェックしましょう。
自治体に行く前に担当者とアポを取る
もし、自治体が雨水タンクの助成をしているところであれば、申請書はHPからでも印刷できる場合があります。書類を郵送すれば、役所に行かなくても申請できるので便利です。
もし、役所に行く場合は、事前に治水課の雨水タンク担当の方にアポをとってから出向くことをおすすめします。なぜなら治水課の方は現場に出向いていることが多いため、意外と不在のケースがあるからです。
なので担当者不在で二度手間にならないように、都合のいい日時を予め確認してから行くようにしましょう。
雨水タンクの補助金を使った設置費用総額
タンク本体の費用
私の住む地域では、雨水タンク(150L以上)1基にあたり30000円の補助金がでました。実際雨水タンクを購入した額は約45000円でしたが、実費としてかかった分は約15000円です。
我が家が選んだ雨水タンクは見た目がシンプルなパナソニック製の物ですが、同じ容量でもっとお手頃な雨水タンクがあったので実費をあまりかけずに設置することも充分可能です。
また、ちゃんと機能が確認できるのであれば自作したものでも申請できるので、DIYが得意な方はチャレンジしてもいいかもしれません。
設置工事費
もし業者にお願いするのであれば、接続費用(おそらく5000円前後)がかかります。我が家は自分で取り付けたので工事費はかかっていません。
高さを合わせて縦樋をのこぎりでカットし、そこに接続パーツを取り付ければいいだけなので比較的簡単に取り付けできました。でも間違えて高さが合わなかったりすることもあり得るので、業者にお願いした方が確実です。
タンクの転倒防止オプションパーツ
また、水が空になると、強風でタンクの位置がずれたことがあり、もし倒れたらタンクの破損にもつながるので、支えるパーツは付けた方が安心です。
私が購入したパナソニックのタンク転倒防止のパーツは10000円程度。ただ、既製品以外にホームセンターで購入できる安価なチェーンとペグなどで対処可能です。
雨水タンクを設置〜補助金申請の流れ
補助金申請の一連の流れになります。
- 申請書を提出
- 実績報告書の提出
- 助成金の振込を確認
1.申請書を提出
まず始めに、申請書を提出します。申請書の他に家の案内図、タンクの設置場所の図面(手書きでOK)、設置するタンクのカタログ、タンクの見積書の写しなど、合計5点を提出しました。
2.実績報告書の提出
申請書が受理されたのを確認したら、続いて実績報告書等を提出します。実績報告書の他に、タンクを購入した証明となる明細書、タンク設置した写真など合計3点を提出しました。不備がなければ、これで手続きは以上です。
振込までの流れ
後日、実績報告書を元に雨水タンクの所在を確認するため、役所の担当者が家に見に来ます。ちなみに我が家の場合は、道路から見える場所にタンクを設置したので、応対は一切不要でした。所在を認められたら正式に受理されます。
後日、受証明されたという内容の書面が届き、振込予定の連絡もあわせてお知らせされます。設置申請から振込まで1ヶ月半程度で完了しました。
雨水タンク設置方法
家の構造には必ず縦樋が複数ありますが、使い勝手を考えてどの縦樋に雨水タンクを接続するかを決めます。雨水タンクはそれなりに大きいので、ある程度余裕があるところがいいです。我が家の場合、庭側にある縦樋に雨水タンクを設置しました。
タンクの接続ホースに合わせた高さで縦樋を切断したら、縦樋に付属のパーツを使ってタンクを接続するだけです。縦樋の切断には、のこぎりを使ってカットしました。
雨水タンクの活用法・雨水タンクのメリットは?
雨水タンクの活用法とメリットについて紹介します。
- 水やり
- 雑用水
- 災害対策
- 環境教育
水やり
雨水の利用方法は、主に水やりです。真夏の際は150L溜められるタンクの場合でも、タンク内の水は庭の水やりだけで10日持たないほどすぐになくなります。
タンクの蛇口にホースを取り付けるほどの水圧はないので、基本的に水やりにはジョウロを使っています。庭で植物や野菜を育ている方にとって、雨水タンクはとても重宝します。
雑用水
水やりの他に、雑用水としても重宝します。例えば、子供の泥汚れがひどい靴の予洗いや洗車する際にも活用しています。また、子供は水遊びが大好きなので、泥水で遊んだり泥団子を作ったりして遊ぶときにも雨水タンクは活躍します。
雨水タンクを設置する前までは、子供たちがジャージャーと水道水を使うと気になっていましたが、雨水タンクから水を使うようになったので気が楽になりました。
災害対策
また、災害時の対策にも雨水タンクは有効です。大型台風や集中豪雨など予め大雨が降ることがわかっている場合は、予め雨水タンクを空にしておくと雨水が許容量を超えて下水が溢れてしまうリスクを減らすことができます。
また、地震などで断水した場合にも役に立ちます。断水したら困るのは特にトイレの水で、大きな地震の直後に断水に備えて湯船に水を貯めた方が良いのはそのため。もし、雨水タンクに水があれば、雨水を利用してトイレの水代わりに流すことができるので、災害時の備えの一つになって便利です。
環境教育
また、雨水タンクは子供の環境教育にもつながります。水で遊ぶのは楽しい反面、水は限りある資源のひとつなので、水の大切さを子供に考えさせる良いきっかけになりました。環境意識を高めるためにも雨水タンクはとても有効です。
雨水タンクを設置〜メンテナンス
雨水タンクを設置したら定期的にメンテナンスが必要で、掃除する箇所が2つあるので紹介します。雨水タンクのデメリットをあげるとすれば掃除の手間くらいですが、個人的には大変だとは思っていないのでデメリットとは感じていません。
- タンク本体(とくに内側の底)
- 接続パーツ内にあるスポンジ
タンク本体の掃除
タンクの底に泥汚れが溜まっていくので、定期的に掃除が必要です。今のところ年に1回程度で済んでいます。タンクが空になりやすい夏場が掃除しやすいタイミングです。
タンクの容量が大きく深いタンクを使用しているのでとても掃除しにくいのが難点。掃除の仕方はデッキブラシで擦り、水圧を強くしたシャワーホースで洗い流します。完璧に綺麗にしようとはせずに大体きれいになればいい、程度で十分です。
接続パーツ部分の掃除
落ち葉などの大きなゴミが入るのを予防するため、縦樋からタンクに水が流れる手前にスポンジが入っています。
このスポンジに泥が付くと上手く水が流れなくなり、タンクに水が溜まりません。雨が降ったのに思ったより水の溜まり方が少ないと感じたときは、スポンジが汚れている証拠。タンクの中に水が溜まるのが遅く感じるときは、この部分をチェックしましょう。大体2,3ヶ月に一度は定期的にチェックした方がいいです。
タンクを設置してもう3年になりますが、タンク自体の劣化は気にならず、水が出る蛇口の部分にも不具合はありません。これからもまだまだ活躍してくれそうです。
まとめ
設置には補助金を利用しても約15,000円の費用がかかりました。水道代を月500円節約しできたとして年間にすると6,000円の節約になります。でも、設置費用が15,000円なので元を取るのに2年半かかります。
それでも、雨水を有効活用し水道に頼らないことで気持ちにゆとりができたこと、エコ活動に貢献していることを考えると、結果として取り付けて良かったと思っています。
今年で雨水タンクを取り付けて3年になるので、これでしっかり元は取れました!我が家にとって雨水タンクは、メリットの方が多くデメリットは全くといっていいほどありません。
限られた水資源に個人ができることはわずかですが、小さなところから始めてみませんか?